環境触媒工学研究室
- 前野 禅 准教授
「触媒」で環境調和型社会の構築に貢献する
私の専門は「触媒」です。触媒は、たとえば自動車排ガスの浄化、衣類の原料となる高分子の合成やそのモノマー原料の製造など、化学結合の切断・形成を伴う物質変換に使われており、私たちの生活になくてはならない存在です。当研究室では、二酸化炭素の回収・資源化や低級アルカンからの有用化合物合成など、資源循環・有効利用のための新しい触媒材料を開発しています。さらに、開発した触媒の機能を最大限に引き出すための反応プロセスの設計も行います。2050年のカーボンニュートラル社会の構築に貢献できるよう、これまで取り組んできたナノ構造触媒合成や新材料の触媒機能探索だけではなく、二酸化炭素の回収・資源化やシェールガスの有効利用など触媒反応プロセスの研究を推進します。
研究室では、自身の研究をまとめる力・発表する力を身に付けられるよう、毎週の報告会で研究進捗の報告とディスカッションを行います。ほかにも、夏休みや冬休み前の中間報告会、英語の文献を読む勉強会も実施しています。実験系の研究では、うまくいくと思った実験の大半が思い通りにはいきません。しかし、そこに発見のタネとなる結果が隠されています。研究に積極的に取り組み続け、小さくても新しい発見にたどりつけるよう、報告会ではどんな結果でも共有し、ディスカッションを通して実験方針を適宜見直しながら研究を進めています。
研究室所属学生メッセージ
研究室の特徴は、雰囲気の良さです。中間・卒論発表会やスポーツ大会が終わった後に研究室で打ち上げがあり、1年を通して楽しく過ごせるだろうと思いました。
現在は、温暖化ガスである二酸化炭素を「回収・削減」するだけではなく、エネルギーや化学品合成原料として利用できるメタンや一酸化炭素に「資源化」する研究に取り組んでいます。具体的には、二酸化炭素の回収・資源化に有効な機能集積型触媒の開発です。比較的新しい研究テーマであり、日々新しい発見に出会える点がおもしろいです。
指導教員である前野先生は、お忙しい中でも真摯に、的確に対応してくださいます。研究室の同輩や先輩たちに、お互いに質問し合えることも研究室の魅力です。 今後はより優れた触媒を探索するとともに、二酸化炭素の回収・資源化のための反応装置設計を行い、カーボンニュートラル社会の構築に向けた新しい触媒反応プロセスの開発を目指します。