微粒子材料設計研究室

  • # 計算化学
  • # ナノ粒子
  • # 層状物質
  • # ナノシート
  • # 粘土
  • # ナノ複合体
  • 宮川 雅矢 助教

微粒子の性質を解明し汚染物質改修へアプローチする

数nm〜μmの微粒子について、シミュレーションや機械学習を用いて構造や性質を研究しています。特に注目しているのは、サンドイッチ型の構造を有する“層状粘土鉱物”。サンドイッチのパンに相当する層状粘土鉱物は、適当な分子(サンドイッチの具材)を取り込むことで、水中に溶けている有機物を吸着するようになります。シミュレーションを使うと微細な構造を調べることができるため、汚染物質や農薬などの吸着・回収に最適な組み合わせの解明に役立ちます。

本研究室では、学生に研究スケジュールを自分で管理するよう促しています。締切直前に夜遅くまで研究室に残ることにならないよう、いつまでに何をすべきかを自分で決められることを求めます。もちろん私との相談も折を見て行いますが、学生には「自分で考えて、自分で決めて、自分でまとめた」という主体的な経験をしてもらいたいです。なお、週に1回研究報告会がありますが、報告会に限らずいつでも学生が相談できるように心がけています。目標としては、4年生は卒業研究で英語論文を読めるように、修士以上の学生は英語論文を書けるようになること。受験勉強を通じて英語はそれなりに学んでいるでしょうが、専門的な英語の科学論文を読むのには少しコツがあります。少しずつ学び、英語論文としてまとめられるレベルまで、研究活動を通じて成長してほしいと願っています。

研究室所属学生メッセージ

3年次の「計算化学」という授業で分子シミュレーションに興味を持ちました。実験では見ることができない分子の動きを、コンピュータ上で観察できるのはとても新鮮でした。

現在は、農薬や環境汚染物質などに含まれる芳香族化合物の回収に有効な、層状粘土鉱物におけるベンゼンの吸着挙動について研究しています。層状粘土鉱物の積み重なった層間の微細な構造を調べることで、吸着に最適な材料の設計に役立てます。自分で作成した構造がシミュレーションでさまざまな動きをして、予想外の発見ができるのがおもしろいです。

また、研究室には気軽に話しかけてくれたり、優しくサポートしてくださる教員と先輩がいるのも魅力です。指導教員の宮川先生は、お忙しい中でも研究における知識などを基礎から丁寧に教えてくださいます。

今後は、粘土層間の構造を変えて吸着挙動を解析し、吸着に最適な材料や構造を探究していくことで粘土鉱物を用いた材料設計の発展に役立てればと考えています。